国民民主は自民から「味方扱い」
一方、中道解体で突如注目され始めたのが国民民主党だ。衆院の会派の議員数は統一会派「中道」より少ないが、所属衆院議員の数は公明と並び、まさかの野党第1党となった。
これで同党が覚醒し、中道に代わる「新しい野党第1党」として高市政権との対立軸を打ち立て、近い将来政権交代して「玉木雄一郎政権」を作る方向になるのなら、それも良いだろう。だが、それはたぶん無理だ。これまで散々「ゆ党」の立場を謳歌してきた同党は、今さら従来の「対決より解決」路線を変えることができない。自民党の鈴木俊一幹事長は16日、国民民主党について「連立を組むところまでいくと思う」と言い放った。
対立軸どころか、自民党から「味方」扱いされている。ため息しか出ない。
自民に代わる「野党第1党」が消滅してしまった
筆者はかねがね、野党には3種類あると考えてきた。①与党から政権を奪い、自らの政権樹立を目指す「野党第1党」、②「政策実現」を大義名分に与党にすり寄る「ゆ党」、③政権批判に集中し、自らの政権樹立への意識が極めて薄い「たしかな野党」――である。②と③は一見真逆のようだが、自前の政権を樹立する考えを持たず、自民党が政権を持ち続けることを前提にしている点で、実はどちらも似たようなものだ。
今回、中道の解体で①の存在が消えた。統一会派「中道」も国民民主党も、ともに政権とまっとうに対峙せず「ゆ党」化してしまう可能性がある。
この先一体、誰が「野党の中核」の役割を果たすのか。野党がいずれも自民党から政権を奪おうとせず、「ゆ党」や「たしかな野党」として楽に生きていこうとするのなら、政治の緊張感はどこに生まれるのか。
自民党が急速にまっとうな政権担当能力を失いつつあるなかで、それに代わる勢力がどこにも生まれなくなるかもしれない。筆者はそのことを強く危惧している。

