GAFAと肩を並べた海外の巨大サイト
ポルノハブは「ユーチューブモデル」を採用したアダルトサイトだ。ユーザーが自由に動画をアップロードでき、基本的に無料で視聴できる。イギリス、カナダ、オーストラリア、ドイツ、フランスといった主要国で、アダルト以外のすべてのウェブサイトを含めたアクセスランキングのトップ10に食い込んでいた。GAFAと肩を並べる巨大サイトが、アダルトコンテンツだけで成立していた。
きっかけは、2020年12月4日に『ニューヨーク・タイムズ』に掲載された記事だった。コラムニストのニコラス・クリストフが書いた「ポルノハブの子供たち」という告発記事で、同サイトに未成年の性的な画像、さらには性的暴行の動画が大量にアップロードされていることを暴いた。
14歳の少女が元交際相手に送った動画をポルノハブに無断投稿され、その動画は40万回視聴された。フロリダ州で行方不明になった15歳の少女が、ポルノハブで58本の性的動画に出演させられているのを母親に発見された。削除要請をしても、同じ動画が別のタイトルで再アップロードされ続けている……。
クリストフは記事の中で、ポルノハブを「フェイスブック並みの影響力を持ちながら、ほとんど規制されていない」と批判、未成年が出演していることを暗喩するキーワードを入力すると、10万本以上の動画がヒットすることを告発した。
記事公開から10日で決済を完全停止
さらに彼は、金融機関への直接的な呼びかけを行った。
「私を頑迷だと呼んでもかまわないが、検索エンジンや銀行、クレジットカード会社が、児童や意識不明の女性への性的暴行で収益を上げる会社を支援する理由が分からない。ペイパルがポルノハブとの協力を停止できるなら、アメリカン・エキスプレス、マスターカード、ビザにもできるはずだ」
記事は瞬く間に拡散された。SNSで何万回もシェアされ、テレビのニュース番組でも取り上げられた。そして、クレジットカード会社の対応は驚くほど迅速だった。記事が掲載されたのが12月4日の金曜日。週明けの12月7日の月曜日にビザとマスターカードが調査開始を発表した。そして10日後には、マスターカードは「違法コンテンツを確認した」として決済を完全停止、ビザも調査継続中として受け付けを停止した。
危機に直面したポルノハブは、即座に大幅な改革を実施した。12月9日、同社は「プラットフォームの信頼と安全性を向上させる」として、認証されていないユーザーによる動画アップロードを全面禁止すると発表した。また、動画のダウンロード機能も廃止し、既存の未認証動画を大量削除した。12月14日月曜日には、前日の日曜夜に1350万本あった動画が290万本にまで激減していた。そして、最終的には全コンテンツの約80%が消失した。

