圧倒的な試行回数で「人間のひらめき」を凌駕する

このように、他とは比すこともできないような成果をあげてきたDeepMind社が、満を持して開発したのがAlphaEvolveである。AlphaEvolveは「潜在的な回答があると想定されるタイプの問題に対して最善の回答を見つけるアルゴリズム」に限られるものの、問題を与えれば、人間には考えつかなかったような効率的なアルゴリズムを自分で発見できることを示したのだ。

AlphaEvolveは、継続的な試行錯誤と評価を通じて、AIがこれまでにない新たなアイディアを生み出せる可能性を示している。つまり、じっと考え込むのではなく、非常にたくさんの方法を試して、従来のアルゴリズムより優れたアルゴリズムを探すことができる。

人間が新しいアルゴリズムを考えるときは、もちろん試行錯誤も大切だが、それと同等あるいはそれ以上に「エウレカ!(ひらめき)」が大事なのであり、網羅的にありそうなものを片っ端から試したりはしない。その意味でAlphaEvolveの研究はまさに、まず仮説を立ててから検証する従来型の研究とは異なる、圧倒的な量の試行から発見を導く「データ駆動型」である。