自分が「探される」環境を選び取る

このアプリの構造が生み出す格差は、男女間に限った話ではありません。

マッチングアプリという場では、写真や一部のスペックに人気が集中する構造があります。

ユーザーの約6~7割が男性という環境もあり、多くの男性にとって「打席にすら立てない」過酷な場所です。しかし場所や環境が変わると、評価軸そのものが変わります。仕事への誠実さ、家族への想い、結婚への本気度、アプリでは伝わりにくい「遅効性の魅力」が正当に評価される環境に移ったとき、道が開ける人は少なくありません。

アプリでの活動ではなかなか成果が出なかった方が、結婚相談所のような場に移った途端、早々に成婚に結びつくケースがあるのもこのためです。

「探す」だけでなく「探される」ための環境を意識的に選ぶこと。それもまた、婚活における一つの戦略です。

見つめ合う男女
写真=iStock.com/yamasan
※写真はイメージです

では、アプリは断ち切るべきなのか

私たちは、どちらかが正解だという単純な世界には生きていません。

アプリで出会いの可能性を広げ、自分を肯定するエネルギーを得ること。地に足をつけ、共に歩む人生の基盤を設計すること。その両輪を回しながら、未来を掴もうとする姿勢は、決して否定されるべきものではありません。

一人の女性が「自分だけの物語」や「特別さ」を守ろうとすること、トキめきを求める気持ち。それは、人間として、ごく自然な感情です。

ただ一つだけ問いかけるとすれば……そのトキめきは、どこから来ていますか?

スマホの画面の向こうから届く「いいね」なのか、それとも目の前にいる人から感じる体温なのか。その違いを意識できたとき、婚活は初めて「自分の物語」になるのかもしれません。

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