健康な体を維持するには、どうすればいいのか。医師の和田秀樹さんは「健康を気遣って、うどんやそばを選ぶ必要はない。むしろそのほうが血糖値は上昇しやすく、ラーメンのほうがいい。ただし、食べる順番には正解がある」という――。(第3回)

※本稿は、和田秀樹『ラーメンと健康 「炭水化物=悪」ではない』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

ラーメン
写真=iStock.com/Yuto photographer
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日本人はインスリンの分泌能力が弱い

多くの方は「糖質=すぐ太る」「炭水化物=血糖値が急上昇する」というイメージを持っていますが、これは半分正しく、半分誤解です。同じ糖質でも、どの食品から摂るか、どんな組み合わせで食べるかによって、血糖値の上がり方はまったく違うのです。

問題は糖質そのものではなく、摂り方です。そして、賢く糖質を摂るために役立つのが、世間では意外にも悪者扱いされてきたラーメンなのです。「ラーメンは血糖値が上がりやすい」というイメージは、本当に正しいのでしょうか。まずは、白米やうどんとラーメンの違いを科学的に見ていきましょう。

食べ方の話をする前に、私たち日本人の体質について触れておく必要があります。

実は日本人は、欧米人に比べて、血糖値を下げるホルモンであるインスリンを分泌する能力が非常に弱いという遺伝的な特徴があります。欧米人がピザやコーラを大量に摂取しても糖尿病になりにくいのは、強力なインスリン分泌能力で血糖値を力業で下げることができるからです(その代わり、余った糖が脂肪になり、超肥満体型になりやすいのです)。対して日本人は、インスリンの力が弱いため、少しの糖質過多でも血糖値が上がりやすく、痩せていても糖尿病になりやすい体質を持っています。

うどん・そばは、血糖値が急上昇しやすい

だからといって「糖質を抜け」というのは間違いです。インスリンが弱いからこそ、血糖値を急激に上げない食べ方を工夫する必要があるのです。空腹時にいきなりおにぎりや菓子パンをたくさん食べるような糖質単体の食事は、インスリンの処理能力を超えてしまい、血糖値スパイク(急上昇)を引き起こします。

日本人に必要なのは、糖質をゼロにすることではなく、糖質の吸収スピードを緩やかにするブレーキをかけながら食べることです。そして、そのブレーキ役となるのが、実は油(脂質)とたんぱく質なのです。

「健康のために、今日はラーメンではなく、うどんかそばにしておこう」。もしあなたがそう考えているとしたら、それはかえって体に負担をかけているかもしれません。実は生理学的な視点で見ると、ラーメンは他の麺類に比べて「血糖値をコントロールしやすい」という、意外な優位性を持っているのです。

素うどんやざるそばのように油をほとんど使わない食事は、一見ヘルシーに見えます。ところが、胃の中に入ってくるのはほぼ100%炭水化物です。消化を邪魔するものが何もないため、胃を素通りして小腸へ直行し、瞬く間に吸収されて血糖値を急上昇させます。