業界最大手の新プランは動画配信が強制付帯

最近、世間の関心はコメの価格に集中しているが、今回は、その陰でひっそりと行われた携帯電話料金の“値上げ”を取り上げたい。かつて、世界でも高いといわれた日本の携帯料金は、菅義偉元首相の尽力で、国際的に見ても安い水準に落ち着くようになった。しかし、4月24日、業界最大手のNTTドコモが実質的に値上げともいえる新プランを発表した。

翌25日、村上誠一郎総務大臣の閣議後記者会見にて、この新プランについて質問があった。

記者の質問は「昨日、ドコモの新プランが発表されました。附帯サービスや条件付きの割引施策などで非常に注釈が多くて、プランが複雑であるという批判が起こっています。これまで、わかりやすい料金体系を求めてきた総務省として、そのプランに対する受け止めと、業界全体に携帯料金のあり方としてどういうことを求めるのかお願いします」というもの。

記者の「プランが複雑である」という発言は事実なのか、私も実際にドコモの資料を見て確かめてみた。

報道発表資料を読むと、新料金プランとして提供されるのは「ドコモMAX」「ドコモポイ活MAX」「ドコモポイ活20」 「ドコモmini」の4つ。また同時に従来プランの 「eximo」「eximo ポイ活」「irumo」の新規受け付けは終了する。

すべてのプランを詳細に説明していくとキリがないので、最もニーズが高いと思われる使い放題プランの「ドコモMAX」に絞って話を進めていく(料金はすべて税込価格)。

ドコモMAXは、データ通信を無制限に行った場合、月額料金は8448円。ただし、家族割や長期継続割引、自社クレジットカードやインターネット、電気契約とのセット割引を組んだ場合はそれに応じた割引が入り、割引をすべて適用した場合の料金は5148円となる。

ドコモMAXと役割が同じ従来プランは、データ通信量が無制限の「eximo」であるが、こちらの料金は7315円。同様に割引をすべて適用した場合、料金は4928円となる。

つまり、「新プラン」とされているが、実質的な値上げとも解釈できるのである。割引をすべて適用できれば価格はあまり変わらないともいえるが、割引をつけるためにはインターネットや電気、クレジットカードなどがドコモに囲い込まれることになり、消費者がさまざまな事業者を比較・選択する自由を奪うことにつながる。

ただし、ドコモ側としては「単なる値上げ」ではないのだろう。たとえば、基本料金が上がった代わりに、ドコモMAXではスポーツ動画配信サービスのDAZNが無料で視聴できる。 DAZNの月額料金は4200円なので、ドコモ側は「むしろ安い」といいたいのだろうが、スポーツに興味がない人にとっては単なる値上げである。

(写真=時事通信フォト)

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