このままでは天皇制が維持できない
失礼を顧みずにいわせてもらえば、上皇は85歳で退位したが、兄の今上天皇はまだ66歳。
もし上皇と同じ歳で退位するとしても、20年近くある。大学を終え、公務をこなしながら帝王教育を学んでも、悠仁さんに時間は十分にある。
さらに深読みすれば、長男が天皇になる前に、兄の長女である愛子さんを天皇に即位してもらって、その後に長男が即位するということを、秋篠宮は以前から考えていたのではないか。
天皇と秋篠宮は昔から、性格も考え方も違うといわれてきた。だが私は、天皇制という日本特有の制度の課題に向き合い、この制度を将来にわたって続けていくにはどうしたらいいのかを、真剣に考えているのは上皇ご夫妻、天皇皇后両陛下、秋篠宮ご夫妻しかいないだろうと思う。
高市政権など一過性の泡(バブル)のようなものである。だが、天皇制が日本国民統合の象徴であり続ける限り、存続していくのである。
国民の総意でもない女性差別や旧宮家からの養子受け入れなどが続けば、天皇制は国民に疎まれ、存続が危うくなることは間違いない。
皇室典範改正に対する“異例”の天皇に続く秋篠宮の発言は、危機感の表れであり、それを強行した高市首相や麻生副総裁への“警告”だと、私は考えている。
追悼式で「反省」しない首相とは大違い
終戦記念日の8月15日、東京の日本武道館で政府主催の戦没者追悼式が行われ、高市首相は式辞を読み上げた。
歴代首相が「反省」「不戦に対する誓い」という言葉を入れ込んだのに、高市首相は一切使わなかった。さらに「戦後の惨禍を、二度と繰り返さない」ではなく、「繰り返さ“せ”ない」と、主語を変えたのである。
あれほど、「途中で参拝をやめたりするから相手がつけ上がる」(2023年)といっていたのに、靖国参拝はせず、「遥拝」をしただけにとどめた。
自身の発言が元で、日中関係が戦後最悪ともいわれる中では、当然なことだと思うが、高市首相を支持してきた保守層からの反発は免れまい。
一方、天皇はこう「お言葉」を述べた。
「戦中・戦後の苦難を今後とも語り継ぎ、私たち皆で心を合わせ、将来にわたって平和と人々の幸せを希求し続けていくことを心から願います。
ここに、戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ、過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、全国民と共に、心から哀悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります」(朝日新聞8月16日付)
どちらの言葉が国民の心に響いたかは、いわずもがなであろう。


