秋篠宮夫妻の異例の会見の意味

朝日新聞デジタル(8月14日 5時00分)はこう報じた。

《10月24日に施行される改正皇室典範への見解を問われ、「制度に関わることなので控えたい」と述べるにとどめた。一方、天皇陛下が6月の記者会見で「国民の皆さんの理解が得られるものとなることを望んでおります」と発言したことについて「その通りだと私は思っています」と賛同した。

改正皇室典範をめぐる議論では、皇室の方々の気持ちや置かれた立場が十分に考慮されなかったとの指摘がある。秋篠宮さまは「私も生身の人間ですから色々と思うところはもちろんあります。なかったらおかしいと私は思います」と心境を明かした一方、「どうやって発信することができるか、さらに、それが法律と関わってきた場合にどうするか。その辺の関係は非常に難しい」と発言。今後の改善の余地について問われると、「やっぱり世の中って進歩していくことが大事」などと答えた。

女性皇族の役割については、務めを果たすことに「女性、男性の区別というのはない」と述べた。》

パラグアイ訪問を前に記者会見される秋篠宮ご夫妻=2026年8月13日午前、東京・赤坂御用地の赤坂東邸(代表撮影)
写真提供=共同通信社
パラグアイ訪問を前に記者会見される秋篠宮ご夫妻=2026年8月13日午前、東京・赤坂御用地の赤坂東邸(代表撮影)

高市首相とごく近しいといわれる黒田武一郎宮内庁長官が、8月6日の定例記者会見で、皇室典範の改正内容について、全ての宮家に自ら説明したと発表されていた。

そこでは、「皇族の方々から様々な意見があった」とも黒田長官は話しているから、今回の皇室典改正に対して、厳しい意見が出たのであろう。

その急先鋒は秋篠宮ではなかったか。

生半可な覚悟ではない

秋篠宮は今回の会見で、記者たちから「皇室典範改正」について聞かれることは、事前にわかっていた。「それについては私からいうことは避けたい」と語らないという選択肢もあったはずだ。今、秋篠宮がこの問題について触れることは、皇室の人間が政治に関与したなどという、心無い批判が出ることも予想されたからである。

だが、秋篠宮は触れることを選んだのだ。生半可な覚悟ではない。

その上、皇室典範を巡る議論の中で、皇室にいる人たちのことが「十分考慮されなかった」ことについて「思うところがある」し「なかったらおかしい」とまで踏み込んだのである。

高市首相や麻生副総裁が「男系男子」に拘ったことに、「務めを果たすのに女性、男性の区別はない」と断じた。

私は、そうした男女差別の考え方が、世の中の進歩に逆行するものだともいったと、思った。

メディアはこのことを大きく報じると思った。だが、事の重大性と高市首相に対する“忖度”もあるのだろう。私が知る限り、既存のメディアで大きく報道したところはなかったようだった(朝日新聞、読売新聞、日経新聞では第2社会面)。

週刊誌はあいにく夏の合併号で休みだった。