金利が低いならもっと高い銀行へ
高市政権は、日銀に対して国債の買い入れも求めたようだ。財政政策では、来年4月から2年限定で食料品消費税を8%から1%に引き下げる。その財源は明らかではない。それに対して、一部の経済専門家からは不安の声が上がっている。
今後の企業の製品値上げの状況を見ると、国内のインフレ懸念は高まるだろう。日銀の追加利上げ予想もあり、変動型住宅ローン金利などの上昇懸念も高まる。私たちの生活の負担だけでなく、将来不安も高まるかもしれない。
一方、金利の上昇は、私たちにとって預金金利の上昇というプラス面もある。銀行の預金金利などに敏感になる人は増えた。全国銀行協会「よりよい銀行づくりのためのアンケート(報告書)」(2024年10月)では、主に使う金融機関への不満の理由として「金利が有利でない」「手数料が有利でない」が上位だった。
預金金利を引き上げにくい銀行から、より高い利回りを提示する銀行へお金を動かす個人や法人は増えるだろう。それは、預金金利の引き上げ競争の激化につながる。
銀行の生き残りをかけた競争は続く
預金金利の引き上げ余地を確保するために、収益力向上を急ぐ銀行も多い。8月、大手の金融グループと、20以上の地方銀行は大型融資ビジネスで提携した。企業の合併や買収、インフラ修復や再整備、再生可能エネルギー利用などの資金需要をメガバンクから取り込み、収益基盤を増強することが主な狙いだろう。
地方銀行の中には、地域商社を設立して地元の特産品をほかの地方や海外へ売り込むよう支援する銀行も出てきた。外資系のコンサルティング企業や、投資銀行から高い給与を支払って優秀な人材を引き抜く地方銀行もある。
預金金利引き上げ競争の始まりで、生き残りをかけた銀行間の競争は激化するだろう。AIの時代、異業種からの銀行業界への参入も増える。今後、信用審査を厳格化し、融資打ち切りなどの意思決定スピードは加速することが予想される。銀行業界での競争激化に伴い、私たちを取り巻く企業経営、産業分野でも競争原理は働きやすくなるだろう。私たちは、より賢く銀行を使うことを考える時が来た。


