城内経財相の「難しくない」発言

そして城内実経財相です。8月10日のブルームバーグ英語インタビューで、消費減税に必要とされる約5兆円の財源について、歳出・歳入や基金、租税特別措置の見直しを通じた捻出は「それほど難しくない」と述べ、国債発行に頼る必要はないと言い切りました。

城内実経済財政担当大臣(右)
城内実経済財政担当大臣(右)(写真=首相官邸/CC-BY-4.0/Wikimedia Commons

この城内実さんは骨太方針2026の取りまとめ役です。当初案では「財政健全化」の文言が削除され、日銀への利上げ牽制ともとれる記述が入ったため、長期金利が30年ぶり高水準に達し、円安も進行しました。いわゆる「骨太ショック」です。

国内ではあまり報じられませんでしたが、市場筋からすれば戦犯扱いされてしまう人物でもあります。結果として、市場の状況に押される形で修正を余儀なくされ、調整に追い込まれて7月21日の閣議決定では、財政運営目標がPB黒字化から債務残高対GDP比の安定的低下というストック指標へ転換されました。

その当事者が、いま「財源は難しくない」と言っている。あのさあ……。

城内さんはこの金利上昇と円安を骨太方針だけに帰する見方を「単純化し過ぎている」と反論していて、市場は海外金利や国債需給などさまざまな要因を反映しているのだから、一つの政策文書と市場の動きを単純な因果関係で結ぶのは適切ではない、と説明しています。まあ、それはそうなんですが、修正を余儀なくされた事実は残るわけで、どういうことなんでしょうかね。

ちなみに同じ趣旨のことは7月3日の日経インタビューでも言っています。一回限りの釈明ではなく、定番の説明として繰り返している。それだけ市場から詰められているということでもあります。割と大変なことだと思うんですが、大丈夫なんでしょうか。

地方財源に1兆6000億円の穴

で、ここからが実務の話です。

政治とマーケット向けの発信は以上の通りなんですが、地方の現場はもっと具体的で、もっと面倒なことになっています。

特に問題視されるのは、消費税減税で掘られる穴の大きさ。8月5日に閣議決定された基本方針で、2027年4月から2年間、飲食料品の消費税率が8%から1%になるとして、どう具体的なところに影響するのかという話になります。

林総務相が6月22日の衆院予算委で示した試算では、地方の減収は年1兆6000億円程度。内訳は地方消費税分が1兆円、地方交付税分が7000億円です。これは順当な試算だと思いますし、異論はございません。だいたいこんなものでしょう。後者は消費税収の19.5%を交付税原資に充てるという法定率の機械的な連動なので、税率を下げれば自動的にそうなります。ここにガソリン税旧暫定税率廃止分(全国知事会推定で約5000億円)が乗ってくる。