「モバイルうちわ」は苦戦続きだったが…

「当時は『こんなの誰が持ち歩くんだ』という反応。扇風機を持ち歩く意味がわからない、という感じで社内からも支持が得られませんでした。なのでデスクファンの10分の1ぐらいの数の注文をなんとか集めたぐらいでした。そんな状況だったので、しっかり調べたワケではありませんが、手持ちできるサイズの扇風機というジャンルの製品は、うちの製品が最初だったと思います」(横田さん)

その後、海外市場から火が付き、日本市場でもフランフランなどが2018年にハンディファンを販売し始め、若い女性を中心に広がっていった。

リズムでもバッテリーを採用したハンディファンの開発を継続。転機となったのが2019年に発売した「Silky Wind Mobile」だ。2重反転ファン、カラビナ、リチウムイオン電池という3つの要素を組み合わせ、屋外での携帯性と持続力を両立させた。

カラビナは初期モデルから一貫して採用してきた装備で、邪魔になる瞬間にサッとバッグなどにかけて手放せるように搭載した。その後、卓上型なども経ながらシリーズは着実に完成度を高めていく。

これまでに試作したファンの山。初期のモデルは職人による削り出しで1つ10万円かかったという
著者撮影
これまでに試作したファンの山。初期のモデルは職人による削り出しで1つ10万円かかったという

第4世代は計16枚の羽根で風量108%に

2022年発売の「Silky Wind Mobile 3」は猛暑と重なって早期に完売するヒットとなり、シリーズの存在感を確立した。首の部分が大きく曲がることで卓上に置いても使えるようになるなど、3Wayでの使い勝手を実現している。

2026年に発売したのが、第4世代となる「Silky Wind Mobile 4」だ。ファンの形状を全面的にリニューアルし、風を一点に集中させる従来の方式から、顔全体の広い範囲に風が届く方式へと進化した。

リズムの最新ハンディファン「Silky Wind Mobile 4」(公式サイト価格3278円)
写真提供=リズム
リズムの最新ハンディファン「Silky Wind Mobile 4」(公式サイト価格3278円)

後方の羽根は5枚から7枚、前方の羽根は7枚から9枚に増え、角度やサイズも見直されている。この結果、風量は従来モデル比108%に向上した。

Silky Wind Mobile 4ではファンの形状を見直したことで、風の幅が広くなり、手持ちで顔全体に風を当てられるようになった
写真提供=リズム
Silky Wind Mobile 4ではファンの形状を見直したことで、風の幅が広くなり、手持ちで顔全体に風を当てられるようになった

「Silky Wind Mobileシリーズは風量がしっかりしているという基本性能で選ばれていると考えています。我々はユーザーに涼を届けたいと思って開発しています。だから、単に2重反転ファンを模倣してもうちの製品は超えられません。細かい所でいくつか特許も押さえています」(藤井さん)