通り名なしでは辿り着けない場所も
たとえばラーメン「本家第一旭本店」の住所は、もし通り名で表記するなら「京都市下京区高倉通塩小路下る東塩小路向畑町845」となりますが、ウェブサイトなどに記載されているのは「京都市下京区東塩小路向畑町845」です。
また、京都市役所向かいの一之船入町にある懐石料理「花八代」の住所は「京都市中京区河原町通二条下る一之船入町537-11」ですが、同じ通りのすぐ隣にある中華料理「創作中華 一之船入」は「京都市中京区一之船入町537-50」と通り名抜きの住所を記載しています。
このように、通り名を用いるか用いないかは人やお店次第で、どちらでも問題ないのです。
だったら京都市内宛の住所を書くときは、通り名を省略して書いてしまえば短くて便利じゃないでしょうか、と誰しも思うことでしょう。しかしここには特大の罠があります。実は京都市内には、町名だけでは区別できない住所があるのです。
たとえば中京区石橋町。中京区には石橋町が、御池通近辺の石橋町と、三条通近辺の石橋町の2カ所あって、しかも別に隣り合っているというわけでもなく1km以上も離れています。旧京都地方合同庁舎は西側の石橋町にあって、住所は「〒604-0043 京都市中京区御池通小川東入石橋町4381」。
カルディ三条河原町店は東側の石橋町にあって、住所は「〒604-8036 京都市中京区三条通寺町東入石橋町26」となっています。これらが全然違う場所にあるとは、京都の通り名に詳しくない人にはちょっと想像がつかないかと思います。
同じ区内に「亀屋町」が5つあるカオスな街
これが数少ない例外ならよいのですが、あいにく京都市内にはこういう「同じ区内で同じ町名なのに違う場所」という例が他にもたくさんあります。最もバラエティに富んでいるのは中京区亀屋町で、中京区には実に5カ所も亀屋町があります。
もっと言えば、中京区だけじゃなく上京区にも4カ所、下京区にも2カ所、亀屋町があります。東京駅でタクシーに乗って「歌舞伎町まで」と言ったらたぶんそれだけで適当な場所におろしてもらえるでしょうが、京都駅で「亀屋町まで」と言ってもどこに行けばよいのか運転手さんにもさっぱり分からないわけですね。
さすがに実用的にも困るからか、実はそれぞれの町には別々の郵便番号が割り当てられています。中京区の亀屋町でいえば
・604-0094 中京区亀屋町(釡座通など)
・604-0941 中京区亀屋町(御幸町通など)
・604-0811 中京区亀屋町(堺町通など)
・604-8253 中京区亀屋町(蛸薬師通など)
となっています。といっても7桁の郵便番号を日常的に口にしたり覚えているかというとあまりそういう使い方はされないわけで、やはり京都市内の住所から通り名がなくなることはこの先も1000年くらいはなさそうに思えます。




