小さく負けて大きく勝つ

そもそも3銘柄に分散するのは、全勝を狙うためではない。一部が外れても、他でカバーできる構造を作るためである。

仮に1銘柄が大きく上昇すれば、残りの損失を十分に吸収できる可能性がある。つまり、3つすべてが当たらなくても勝てる設計になっているのだ。

そのために不可欠なのが損切りになる。下げた銘柄をそのまま放置してしまえば、せっかくの分散効果は失われる。損失は早期に確定し、資金を守る。これを優先するべきだ。

とくに3銘柄すべてが弱い動きになった場合は、躊躇せず一度撤退する判断が求められる。これは敗北ではなく、次のチャンスに備えるための戦略的撤退と言ってよい。

「全勝にこだわらない」
「損失は当然と受け入れる」
「小さく負けて大きく勝つ」。

この基本を徹底することで、リバウンド投資法の真価は発揮される。3銘柄すべてが上がらなくてもよい。むしろ一部の勝ちを確実に利益へと変え、損失を最小限に抑える。

この積み重ねこそが、資金を着実に増やす最短ルートと分かった人に株の女神は微笑む。

ワクワク感がなければパスでよい

一見すると地味である。すぐに成果が出そうもない。しかし長く市場で勝ち続ける投資家には、ある共通点がある。

それは、自分が本気で魅力を感じるテーマ、銘柄に投資している。これだ。

いま市場ではAI、半導体、データセンター、防衛関連など、様々な人気テーマが語られている。だがその多くは「儲かりそうだから」という理由だけで飛びつかれているに過ぎない。

確かに株は利益を得るために行うものだ。しかし「儲かりそう」というだけの浅い動機では相場の揺れに耐えられない。

では何が必要か。

ワクワク感――。

この銘柄は世の中を変えるかもしれない、自分の資産を大きく成長させるかもしれない。自分をも変えるかもしれない。

こうした実感を伴う期待こそが、投資を継続させる原動力になる。重要なのは次の3点だ。

・その分野に本当に将来性を感じている
・企業の成長ストーリーに心が動いている
・株価の動きを追い続けることに苦を感じない

これらが欠けていると、投資は途端に不安定になる。

実際、「このテーマは熱い」と言いながら、日々見ているのはXなどでの推奨銘柄ばかりという投資家は多い。つまり本心では信じていないのである。その結果、下げればすぐに不安になり、上げれば早売りし、利益は積み上がらない。

一方で、本気で惚れ込んだテーマを持つ投資家は強い。下げても理由を考え、押し目として捉えられる。上昇すれば初動から終盤までしっかり乗ることができる。ここに大きな差が生まれる。リバウンド投資法においても同様だ。

北浜流一郎『株・3点必中 リバウンド投資108手』(明日香出版社)
北浜流一郎『株・3点必中 リバウンド投資108手』(明日香出版社)

3点銘柄を選ぶ際、エース、セイフティ、チャレンジと分けるが、その前提として「自分が追い続けたいかどうか」がある。ワクワクしない銘柄は、いくら条件が良くてもパスでよい。なぜなら継続できないから。

本気で惚れ込めるテーマと銘柄に投資すること。

AIでも半導体でも防衛でも構わない。重要なのは自分の心が動くかどうか。そしてそのテーマを深く調べ、理解し、投資に落とし込む。遠回りに見えるが、これこそが最短ルートである。

小手先のテクニックは後からいくらでも身につく。しかし心が乗っていない投資は続かない。投資を「作業」で終わらせるか、「武器」に変えるか。その分岐点はワクワク感にある。

本書では特定の銘柄・取引を推奨するものではございません。取引に当たっては、ご自身のご判断でお願いいたします。売買で被られた損失に対し、著者・版元は何らの責任も持ちません。

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