「ネクスト村上、岡本」になれる存在
今季の村上の最高打球速度、バレル率、以下のようになっている(図表7)。
村上は打球速度、バレル率では大谷に及ばないが、ハードヒット率はなんとMLB全体で2位。2023年のWBC以降、フライボール革命の指標を目標に努力を重ねてきたと考えられる。それによってNPB打者がMLBに移籍してからの「小型化の呪縛」から解放されたのではないか。
実は、巨人から今季ブルージェイズに移籍した岡本和真も、MLBで健闘している。
すべての指標が低下し「小型化」しているのだが、本塁打率がそれほど低下せず、24本塁打を打っている。彼のスタットキャストのデータも見てみよう(図表9)。
まずまずの数字だ。岡本の場合、三塁守備でしばしばファインプレーを見せている。ブルージェイズは、チームリーダーのゲレーロJr.が極度の不振に陥り、成績が低迷している中で、岡本は親しみやすい性格もあって、中心選手になりつつある。
村上が、これまでのNPB出身打者の「評価」を払拭したことで、MLBではNPB打者への期待感が急上昇している。昨年からNPBでもスタットキャストと同様の解析システム「NPB+」を公開したが、佐藤輝明(阪神)の数値はこうなっている(図表10)。
この数字は、今季の大谷より上だ。今オフにポスティングシステムでの移籍を申請すれば、争奪戦が起こること必定である。
これまで大谷を唯一の例外として、日本人打者はメジャーに行くと小型化すると言われていたのが、村上の先を見通した「努力」が定説を覆した。日本人打者は今後、目の色を変えてバットスピードを伸ばそうとするのではないだろうか。
※打率、本塁打率、OPS、スタットキャストのデータは全て8月3日時点。






