高血圧症の人にも効果がある乳酸菌の力
また、高血圧症の人に大量の(濃縮された)乳酸菌を2カ月とってもらい、血圧が低下したという研究もあります。これらの先行研究に対して、筆者らは少量かつ長期間の乳酸菌摂取が、どのくらい高血圧症の発症を抑制するかを調べました。
研究期間は5年間、摂取量は市販の乳製品(シロタ株を含む)です。この研究の対象となったのは、中之条町に住む高齢者で、5年前までに高血圧症が発症していない352人です。
その後の5年間において高血圧症が発症したかどうかを調べることで、どのくらいの人が高血圧症になったかがわかります。比較したのは、乳酸菌摂取が週3日未満の群と週3日以上の群です。
まず結果として、乳酸菌摂取が週3日未満の群は、過去5年間に14.2%の人が高血圧症になりました。
これに対して、乳酸菌摂取が週3日以上の群は、過去5年間に6.1%の人が高血圧症になりました。この結果から、乳酸菌を週3日以上、習慣的にとっていると、高齢者の高血圧症発症リスクが下がる可能性が明らかになりました。
乳酸菌は高齢者の健康をサポートする食品の1つです。本書のメインテーマである長生き歩き(8000歩/速歩き20分)は、高齢者の健康に役立つ生活習慣ですが、それに加えて、乳酸菌を習慣的にとる生活も始めてほしいと思います。
運動も食事も継続しないと意味がない
前述した高血圧症のデータも、運動と組み合わせた分析を行えば、相乗効果が得られる可能性があります。乳酸菌+長生き歩きは、その相乗効果で高齢者の健康長寿をしっかりサポートしてくれるでしょう。乳酸菌も長生き歩きと同じで、継続しないと効果が維持できません。長生き歩きは2カ月で効果があらわれますが、やめて2カ月たつと、元の体に戻ってしまいます。
乳酸菌も同じです。筆者らは中之条町の高齢者の腸内環境(腸内細菌叢)も調べていますが、乳酸菌(シロタ株を含む乳製品)を週3日以上とっている人たちは、週3日未満の人たちに比べて、腸内環境の安定性が高く、この傾向は乳酸菌の摂取期間が長いほど顕著でした。運動も食事も続けることが重要なのです。
長生き歩きも乳酸菌も、筆者らの研究で健康効果は科学的に証明されています。健康長寿のために、何か始めたいと思っている人、とくに65歳以上の高齢者と呼ばれる年齢の人には、強くすすめたいと思います。
長生き歩きは、歩くだけでよいのですから、こんなに簡単で安上がりな健康法はありません。歩数は1日8000歩(平均)。大事なのはその8000歩のうち、20分間を速歩き(中強度活動)にすることです。
長生き歩きを2カ月続けると、それまで眠っていた長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)のスイッチが入ります。まずは、長生き歩きを2カ月続けてみてください。きっと何か体の変化が感じられるはずです。



