腸活の基本は「歩くこと」と「食事」だけ

そんな一般向けの情報も身近にあることから、腸活がブームになっているのではないでしょうか。腸活の基本は運動と食事です。このうち運動は長生き歩き(8000歩/速歩き20分)だけで十分腸活になります。また、食事については食物繊維の豊富な野菜や海藻などをとるとよいといわれています。

食物繊維が腸活によいのは、食物繊維が善玉菌のエサになり、その結果、善玉菌を増やしてくれるからです。また納豆や漬け物などの発酵食品も善玉菌を増やして、腸内環境を整えるといわれています。

さらに、腸内環境を整える食品ではヨーグルトや乳酸菌飲料を無視するわけにはいかないでしょう。これらの食品は腸活ブームを背景にたくさんの商品が開発されています。今やスーパーの乳製品のコーナーに行けば、これらの商品が所狭しと並んでいるのを目にすることができます。

さらに、最近のヨーグルトや乳酸菌飲料には、睡眠の質の改善や便秘の改善、免疫ケアといった機能性表示があるものも珍しくありません。近年、代表的な善玉菌の1つである乳酸菌の研究が進み、さまざまな機能性のある乳酸菌が発見されています。乳酸菌というのは同じような特徴や特性をもった菌のグループ名(総称)のことです。

研究でわかった乳酸菌と運動の相性の良さ

その中に性質の異なるさまざまな菌があります。このような1つの菌のことを菌株といいます。同じ乳酸菌の仲間でも、菌株が異なれば機能性も違います。そのため、さまざまな乳酸菌の菌株を用いた商品が登場しているのです。

さて筆者らの中之条研究(※)では、乳酸菌をとるとどのような健康効果があるのか、ということも調べています。歩く(運動)だけで、さまざまな病気が予防できることがわかっています。また、乳酸菌にも病気を予防する効果があります。

※群馬県中之条町の住民の健康状態を20年以上にわたり調べた研究

では、乳酸菌の摂取と運動を一緒に行っている人は、どのような効果が得られるのでしょうか。結論からいうと、「乳酸菌+運動」は相加・相乗効果があることがわかりました。そのおもな研究結果について、これからくわしく述べていきたいと思います。

要支援・要介護の予備軍(前段階)であるフレイルの予防に、乳酸菌を含む乳製品の摂取が有効であるといわれています。しかし、人で乳酸菌の効果を検証した研究はあまりありません。そこで、筆者らは中之条研究のデータを解析し、その可能性を探ることにしました。

フレイルの診断基準の1つに歩行速度の低下があります。そこで、乳酸菌を習慣的にとっている高齢者は歩行速度が低下しにくいのではないかと考え、検証することにしたのです。なお、筆者らの研究への参加者は、その多くがおもにシロタ株という菌株を含む乳製品を日頃からとっています。