「週3日以上の乳酸菌」で速く歩ける
65歳以上の男女を、それぞれ過去5年間に乳酸菌を週3日以上摂取していた群と週3日未満の群に分けて、両者の通常歩行速度(5メートルを普通に歩く速さ)を比較検討しました。その結果、男性の通常歩行速度は、乳酸菌を週3日以上摂取していた群が1.37メートル/秒、週3日未満の群が1.31メートル/秒で、歩く速さにおいて統計的に有意な群間差が見られました。
同様に、女性でも、乳酸菌を週3日以上とっていた群のほうが、週3日未満の群よりも、通常歩行速度は速い傾向が見られました。このように、乳酸菌を含む乳製品を習慣的にとっている高齢者は、性別にかかわらず、加齢による歩行速度の低下を抑制する可能性が見えてきました。
乳酸菌(おもにシロタ株を含む乳製品)に運動を加えると、歩行速度がより一層低下しにくくなる可能性があります。筆者らはこれも検証しました。
群①は乳酸菌摂取が週3日未満で1日の平均歩数が7000歩未満、群②は乳酸菌摂取が週3日以上で歩数が7000歩未満、群③は乳酸菌摂取が週3日未満で歩数が7000歩以上、群④は乳酸菌摂取が週3日以上で歩数が7000歩以上です。
4群間で比較した結果、活動量の多い群③と群④は活動量の少ない群①と群②よりも通常歩行速度が速い傾向が示されました(図表3参照)。
「+7000歩以上」で便秘リスクが激減
乳酸菌だけの群②よりも、運動だけの群③のほうが通常歩行速度は速く、乳酸菌摂取と運動(身体活動)を組み合わせた群④が、もっとも高い値を示したことから、乳酸菌+運動の相加効果が明らかになりました。なお、群④と群①あるいは群②の間で、男女とも統計的に有意な差が認められています。
乳酸菌+運動の相加効果は、便秘の研究でも明らかにされています。中之条町に住む高齢者338人を対象に、1カ月間の乳酸菌摂取頻度、身体活動量(運動量)、排便頻度を調査し、3者の関係を分析しました。
乳酸菌(シロタ株を含む乳製品)だけの結果では、乳酸菌摂取が週0~2日の群の便秘リスクを1とすると、週3~5日のリスクは0.493、週6~7日のリスクは0.382と、摂取頻度が増すにつれてリスクが下がることがわかりました。
さらに、乳酸菌の摂取頻度と1日の歩数を基にした身体活動量の組み合わせで便秘リスクを調べたところ、乳酸菌摂取が週0~2日+1日7000歩未満の群の便秘リスクを1とすると、乳酸菌摂取が週3日以上+1日7000歩以上の群は0.1台と、組み合わせに応じて明らかに便秘リスクが低くなることがわかりました。
乳酸菌(シロタ株を含む乳製品)をとると高血圧症が発症しにくいことは、これまでの研究でも明らかになっています。たとえば高血圧症を発症させた動物に乳酸菌を与えて、血圧が下がることを示した研究があります。



