個性はビジネスでは得か、損か? 強烈な個人は組織では潰されるのか? 多くのビジネスマンに支持されている書籍『おれが浮いてるわけがない。』(五十棲剛史著)の著者で船井総合研究所常務が個性とビジネス・組織について赤裸々に語る。周囲から“浮いてしまう”ほど強い個性ながら、他人の10倍稼いできたコンサルタントが考える、いまの時代のビジネスマンの在り方とは?
私の仕事の仕方で、よく驚かれることの1つが、企画書をつくらないことだ。
弊社の他のコンサルタントは全員つくる。しかも、すごく気合を入れて、内容もさることながら、見た目にもキレイな企画書をつくろうとする。
それが目的になっている人もいるように見受けられる。ただ受注するという目的に絞れば、はっきり言って、必要ないのではないかと思うこともある。
実は、私はパワーポイントが上手に使えない。きっとこの先も上手になろうとは思わないだろう。
大企業に提案するのであれば、社内で稟議を通すために、しっかりとした企画書を求められることもある。
しかし、私は中小企業のオーナー経営者に提案することが圧倒的に多かったので、そういった必要もなかったし、求められるケースも少なかった。
社長に提案内容が伝わり、発注するかどうかを判断してもらえれば、それでいい。
場合によっては会議室のホワイトボードに、その場で概要を書くこともある。それで十分伝わるのだ。
この「企画書なし」受注は、商談のプロセスによっているのかもしれない。
私は基本的に、1回目の商談で発注するかどうかを決めてもらう。
多くのコンサルタントの場合は、まず1回目のアポイントでヒアリングをし、その内容をもとに次のアポイントで提案し、3回目のアポイントで契約書を交わす、という流れだろう。
しかし、私の場合はまずセミナーに参加してくださるお客様が多かった。
そのセミナーである程度の戦略についてはお話しているため、それを当てはめるとどうなるか、ということをその時点で考えてもらってから、アポイントに臨んでいただけるのだ。