左顔のほうが表情が豊かで魅力を高める
左脳は言語処理、論理的思考などに優れ、右脳は感情処理、音楽・芸術的知覚などに強いとされます(注1)。この脳の機能差は、神経経路が錐体交叉により反転するので、反対側の身体に強く現れます。
たとえば、左脳の障害は言語障害と右半身麻痺を引き起こしやすいのはみなさんもご存じだと思います。これは顔でも同様です。そのため、左顔は右顔に比べて、より感情表出が豊かになります。
私たちがセルフィーを撮るときは、だいたい笑顔やハッピーな表情であるため、右顔よりも左顔のほうが表情豊かになり、魅力を高めると考えられるのです。
(注1)実際にはこの脳の働きのプロセスはもっと複雑なのですが、ここではおおざっぱに理解しても問題ありません。
「アイドル雑誌の表紙」の顔の向きの割合
もし右顔よりも左顔のほうが魅力的ならば、アイドルのグラビア写真も左顔を撮ったものが右顔のものよりも多くなることが予想されます。これは本当でしょうか。
私たちの研究室では、まず、女性アイドル雑誌の「BOMB」の創刊号から最新号までの表紙写真をすべて対象にして、その顔の角度を7段階に分類しました。その結果、正面とやや左顔の比率がもっとも多くなりました。
また、男性アイドル雑誌の「POTATO」と「DUeT」についても同様の分析を行いました。その結果、やはり同様の結果が得られました。正面写真の比率は男性アイドル雑誌のほうが多いことがわかりました。
「坂道アイドル」の写真合計2354枚を集計
男女いずれも正面顔がもっとも多かった理由について、岸川・越智は「目が合いやすい」ことを挙げています(※4)。目を合わせることの魅力向上効果については、クロースらが実験的な検討をして確認しています(※5)。
また、私たちの研究室の水戸有希さんは、乃木坂46、櫻坂46、欅坂46、けやき坂46、日向坂46がシングルを発売したときのアーティスト写真合計2354枚についてその顔の向きを集計しました(※6)。
その結果、やはり左顔が写っているものは右顔が写っているものに比べて有意に多いことがわかりました(左=999,右=816,正面=539,p<.001)。グループごとに集計してもこの傾向は同様に見られました。


