5位は愛知県にある最古の天守
第5位は犬山城(愛知県犬山市)。この城の天守は、現存12天守のなかでもとくに貴重な「国宝5城」だが、なかでも特別であったことが令和3年(2021)に発表された。
犬山市教育委員会が専門家に依頼し、天守の木材を「年輪年代法」で調査すると、1、2階の通し柱は天正13年(1585)、4階の床を支える梁は天正16年(1588)に切り出されたことが判明したのだ。4階の部材も床板や梁など複数が、天正13~16年の伐採だったという。
ということは、豊臣秀吉の天下統一前、すなわち羽柴秀長の存命中に築かれた、日本最古の天守ということになる。広島大学名誉教授の三浦正幸氏は、その木材を使って美濃金山城(岐阜県可児市)に建てられた天守が犬山城に移築された、という説を唱えるが、それでも最古であることには変わりない。
貴重な天守をじっくり鑑賞するだけでもいいが、8月1日から10日までは毎日(木曽川の増水時などは中止)、20時ごろから約10分間、「日本ライン夏まつりロングラン花火」が開催される。川に浮かべた船から300発が打ち上げられ、夜空を彩る花火と最古の天守の見事なコラボレーションを楽しめる。
日本一充実した「天守内部の展示」
続いて岡山城(岡山市北区)を第4位に推す。「豊臣兄弟!」との関係で説明すると、この城を天正18年(1580)から慶長2年(1597)にかけて大規模に整備したのは、秀吉が養子同様に寵愛した宇喜多秀家だった。その象徴は、平面が東西に長い不当辺五角形の石垣上に築かれた天守で、織田信長の安土城天主や秀吉の大坂城天守の面影をとどめた、とても複雑かつ華麗な姿をしていた。
残念ながら、昭和20年(1945)6月29日未明の空襲で焼失したが、昭和41年(1966)に鉄筋コンクリート造で外観復元された。戦前の姿と異なる箇所があるなど問題がないではないが、令和4年(2022)秋に「令和の大改修」が終わり、外観等が鮮やかになっただけでなく、内部の展示が非常に充実した。
展示を監修したのは岡山出身の歴史学者、磯田道史氏。冷房が効いたなか、城や城主の歴史が、映像や立体的な展示によってよく理解できるほか、刀や鉄砲の重さを実感したり、武将や大名姿を体験したりする場もある。だから子供もみな楽しそうだ。筆者が知るかぎり、天守の内部の展示としては圧倒的に日本一の充実ぶりである。
それに8月中は「夏の烏城灯源郷」が開催され、天守だけでなくその周辺も、提灯や燈籠、ろうそくなどの明かりで彩られ、夏の日本ならではの風情が味わえる。対岸にある日本三名園のひとつ後楽園でも、ライトアップのイベント「夏の幻想庭園」が開催され、暑さを忘れるひと時が楽しめそうだ。


