「円安のリスクを理解しているのか?」

多くの海外投資家が、高市首相の経済政策(高市政策)への信用を失っているようだ。彼らとやり取りしていると、インフレ下で積極財政政策を掲げる、高市手法の政策を疑問視していることがよく分かる。また、高市首相が円安の高進に無関心に見えることが、よく理解できないとの指摘もある。

第221特別国会閉幕を受け、記者会見する高市早苗首相=2026年7月27日、首相官邸
写真提供=共同通信社
第221回特別国会閉幕を受け、記者会見する高市早苗首相=2026年7月27日、首相官邸

最近、海外投資家から、「首相は財政悪化、円安のリスクを十分に分かっているのか」と質問を受けることが多くなった。中には、これ以上円安が進むと、日本株投資を抑制せざるを得ないとのスタンスを取る大手投資家も出てきた。

7月後半、海外のファンドマネージャーの中には、骨太の方針の原案を指して「HONEBUTOに注意が必要」とみる向きも増えた。SNSでは、「#高市不況」のハッシュタグも増えているという。

このままでは「サナエ・ショック」が起きる

それでもなお、円安に歯止めを掛ける政策は見られない。国債の増発で財政が加速度的に悪化しても、問題はないとのスタンスのように見える。

一方、首相に代わって、片山財務大臣は過度な円売りを牽制し、財政規律に配慮する見解を示している。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による、国債買い支え(プライス・キーピング・オペレーション:PKO)案も浮上したが、焼け石に水の感は否めない。

財政悪化と円安の歯止めに有効な対策を示さないと、円安加速、物価上昇、株価下落、さらには景気後退といったマイナスが一斉に、わが国の経済を襲うことも懸念される。それは、恐らく「サナエ・ショック」と呼ばれることになるかもしれない。