「ベッド=眠れる場所」という認識を再構築
睡眠制限療法とは、ベッドにいる時間を実際の睡眠時間に合わせて意図的に短縮し、睡眠の質と効率を高める治療法のこと。軽い睡眠不足を意図的につくり出すことで、眠気を強め、中途覚醒や熟眠障害(眠りが浅い・眠っても疲れが取れない状態)を改善する狙いがあります。
一方、刺激制御療法とは、寝床を睡眠のための場所として再学習させ、不眠を改善する認知行動療法の一種です。眠気がないのに寝床に入る、眠れず悩むといった不眠の習慣を断ち切り、「ベッド=眠る場所」という条件づけを取り戻します。
ほかの認知療法やリラクゼーションには明確な効果が確認されませんでした。これらの結果からは、不眠への有効な対処法は行動を変えることだとわかります。特に刺激制御療法による「ベッドと睡眠の関係」を再構築する方法が、有力な選択肢の一つとなります。
ところで、なぜ眠れないときにベッドから出るといいのでしょうか。
ベッドの中で長時間眠れない状態を続けると、「ベッド=眠れない場所」「ベッド=不安・焦りの場所」という認識が脳に定着してしまいます。これが、ベッドに入った瞬間に脳が覚醒する条件反射をつくってしまうのです。
眠れないならベッドから出て、別の部屋で静かに過ごし、本当に眠くなってからベッドに戻る。これを繰り返すことで、「ベッド=眠れる場所」という認識を再構築し、悪い認識の定着を防ぐことができるのです。


