日本初の“VIPルーム”は東京ドーム

かつて後楽園球場には、天皇陛下や球団オーナーを迎えるための貴賓室こそ備えてあったものの、ビジネス・ユーザー向けのVIPルームは存在しなかった。

そもそもスタジアム内にラグジュアリーな個室を設けるというビジネスモデルの原点は、1965年にアメリカ・テキサス州に誕生した世界初の多目的ドーム球場アストロドームだったとされる。当時のオーナー、ロイ・ホフハインツが球場内に全53室のスカイボックスを設置したことが、スポーツを最高峰の社交場へと変貌させる記念碑となった。同ドームは2008年に閉鎖されたが、14年には歴史登録財に登録されている。

日本においてこのアストロドームのDNAを取り入れたのが、1988年開業の東京ドームだ。当時の「スイート倶楽部」は、それまでの皇族や国賓のための「貴賓室」という概念を覆し、「接待室」を日本のスタジアムとして初めて導入したとされる。