厄介な「悪意のない不正」

当然ながら、詐欺など悪意を持った不正も存在する。その場合には、悪意ある不正を起こした者に厳正に対処したうえで、ルール・コンプライアンスの強化や徹底が重要であり、その際の原因究明は比較的容易であると考える。

一方で「悪意のない不正」も存在する。例えば、ベイザーマンとテンブランセルが指摘したように、倫理観を発揮したつもりが当人や企業の対応が不十分である場合や、自らの行為が倫理的に問題であるのに当人がそれを認識していない場合だ。

その場合、ルールやコンプライアンスの厳格化のみでは効果に乏しく、制度不備・組織文化・意思決定の問題などに目を向けるべきである。