世界地図に向けられた核ミサイル
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アメリカとイランが6月17日、4カ月近く続いた戦争を終結させるため、少なくとも終結に向けたプロセスを始めるための覚書に署名した。議論の中心となっているのは、「無条件降伏」を求めていたドナルド・トランプ米大統領がかつて受け入れる姿勢を見せていた範囲を超える譲歩をイランに認めるかどうかだ。

しかし、イラン戦争には影の勝者がいるかもしれない。一発の銃弾も撃たなかった国、中国だ。

中国は開戦当初からこの戦争を非難していた。アメリカとイスラエルによる攻撃でイラン最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師やその他の高官が殺害されたことを糾弾し、一貫して交渉による解決を支持してきた。

現在、アメリカとイランが不安定な和平に向けて動くなか、アナリストたちは、中国がイラン戦争を通じていくつかの重要な戦略的利益を得たと指摘する。

安定した大国

主権を尊重し、対話を重んじ、海外での軍事的冒険主義を避ける責任ある大国として自らを示そうとしてきた中国にとって、イラン戦争は、そのメッセージを強化する絶好の機会だった。

中国の王毅(ワン・イー)外相は戦争中、イランの外交当局者らと繰り返し協議を行い、一方で北京は、交渉の仲介に向けたパキスタンの取り組みへの支持を繰り返し表明した。イランのカゼム・ガリババディ外務次官も、停戦枠組みが形を成す直前、中国の高官らと協議している。

覚書署名後、イランのアッバス・アラグチ外相は、交渉の促進を支援するうえで中国が建設的な役割を果たしたとして、公に謝意を示した。

中国は外交姿勢を鮮明にアピールできるように

中国当局者らは、自国が対話を重視してきたことを強調してきた。それとは対照的に、アメリカとイスラエルの軍事作戦は無謀であり、世界のエネルギー市場を混乱させ、中東をさらに大きな戦争へと近づけたものだと訴えてきた。

北京に拠点を置く中国グローバル化センターのヘンリー・ワン所長は「イスラエルとアメリカによるイラン攻撃は、本当に前例のないほど悪い実例を作り、80年にわたる世界秩序を解体した」と本誌に語った。

この主張は、イラン戦争を懐疑的に見ているグローバルサウスの国々に向けられている。

また、イラン戦争は欧州および湾岸地域のアメリカの同盟国との関係にも緊張をもたらした。

イラン戦争を通じて、アメリカのパートナー国からの支持は一様ではなかった。貿易摩擦や関税について、すでに不満を募らせていた欧州各国政府は深く関与することに消極的だった。実際、同盟国は作戦やその経済的影響について公然と疑問を呈した国も1つではない。

ブルッキングス研究所中国センターのライアン・ハス所長は「戦争の正当性、遂行、その余波をめぐり、アメリカとパートナー国との間に明確な見解の相違が表面化したことで、時間とともに他の問題領域へ広がりかねない亀裂が露呈した」と分析した。「中国にとって、こうした亀裂は安心材料となる」