一企業の経営判断に左右されることも

歌舞伎の興行には多額の費用と手間がかかる。俳優だけでなく、衣装、かつら、大道具、小道具、歌舞伎音楽(長唄、竹本、清元、鳴物など)といった多くの伝統技能を担う人々の仕事と生活を支えている。芸の継承は役者だけでは成り立たない。

近年は「ワンピース歌舞伎」や「超歌舞伎」など新たな挑戦も積極的に行われている。保守的な歌舞伎ファンから賛否はあったものの、若年層や海外の観客を呼び込み、「歌舞伎を初めて見る入口」を広げた意義は大きい。歌舞伎は本来、時代の文化を取り込みながら発展してきた演劇だ。伝統の継承と創造は決して対立するものではない。

その一方で、歌舞伎が事実上松竹一社の興行に依存している現状には課題もある。