リバウンドを防ぐカギは「ケトン代謝」
人には、日中の活動で主に利用される糖をエネルギー源とする代謝経路とは別に、脂肪から作られるケトン体を利用する「ケトン代謝」という仕組みが備わっています。本来、ケトン代謝は睡眠中や絶食時など、糖の供給が少ない時間帯に働き、体の修復やエネルギー供給を支えています。先ほど述べた中鎖脂肪酸(MCT)は、このケトン体を誘導するのに効果的です。
ここで誤解してはいけないのは、ケトン代謝は単に糖質を抜くだけでは十分に活性化しないということです。無理な糖質制限でカロリーまで不足すると、体は飢餓状態と判断し、筋肉を分解してしまいます。その結果、基礎代謝が低下し、かえってリバウンドしやすい体になってしまいます。
一方、適切なカロリーを確保しながら、たんぱく質と良質な脂質を十分に摂取し、糖質量を適切に調整すると、体は筋肉を維持したまま脂肪をエネルギーとして利用しやすい状態へ切り替わります。
私たちは14年以上にわたりケトン食の研究を続けてきましたが、この代謝経路を適切に活用することで、筋肉量を維持しながら脂肪量を減らし、リバウンドしにくいダイエットにつながることを確認しています。
無理にご飯だけを抜いて糖質制限で苦しむよりも、脂肪を効率よくエネルギーとして使える“痩せやすい体質”を目指すこと。それこそが、健康的で、リバウンドしにくいダイエットへの近道ではないでしょうか。


