まずい、殺られる

カラマツ林が終わりかけ、90度のカーブを回り込むと、景色はトドマツ林へと移り変わる。その瞬間、前方のトドマツの先端近くに、枝とは違う黒い塊が見えた。

赤石は車を止め、双眼鏡を取り出す。

双眼鏡の中には、揺れる枝の上に小さなヒグマがいた。距離は150メートルほど。サイズも距離も射撃には申し分ない。