「ロサンゼルス・タイムズ」紙に反響
私の地域と同じように、圧倒的なエビデンスが示されているにもかかわらず、従来の時間割を変えようとしない地域は数えきれないほどあった。子育て、教育、公衆衛生をテーマに取材してきたジャーナリストとして、私はここに自分が取り組むべき新たなテーマを見出したのだった。
2016年9月、学校の始業時刻を朝遅くすべき理由について書いた私の論説が、「ロサンゼルス・タイムズ」紙に掲載された。この論説には大きな反響が寄せられ、翌週末には読者の声が紙面に掲載されるほどだった。さらにこの記事は、高校生の子を持つアンソニー・ポータンティーノ州上院議員の目にも留まった。2017年初頭、彼はカリフォルニア州の中学校・高校に健康的な始業時刻を求める法案を提出した。私はその立法の道のりに深く関わることになり、数年にわたるプロセスを経て、全米で初となる法律の成立へとつながっていった。
私は、提言者としての新しい役割と、ジャーナリストとしての自分のあいだを行き来しながら、この物語をたどっていった。始業時刻を遅らせる改革を最初に実施した高校だけでなく、さらにその前へ――10代の睡眠をめぐる最初期の研究にまで、調査の視野を広げていった。そして行き着いたのが、かつて存在した、きわめて異例のサマーキャンプだった。「スタンフォード睡眠サマーキャンプ(Stanford Summer Sleep Camp)だ。
パンデミックの思わぬ光明
知識を深めるにつれて、10代たちの睡眠を助けるための工夫を、実際に取り入れられるようになっていった。その結果、10代たちだけでなく、私自身の睡眠も改善していった。
本書では、私がこれまでに得た知見を凝縮した。50人を超える研究者や専門家へのインタビュー、そして約200本に及ぶ研究論文、報告書、書籍など、多岐にわたる資料をもとにまとめた。
この本を執筆中、新型コロナウイルス感染症のパンデミックが起こった。世界中で人々の生活がまったく変わってしまい、学校は突如としてオンライン学習への移行を強いられた。しかしあらゆる混乱のなかで、多くの10代には予期せぬ光明がもたらされた。朝遅くまで寝る機会が増えたのである。通学がなくなっただけでなく、授業開始時刻が遅くにずれることも多かったので、10代たちはそれに合わせて目覚ましをセットできるようになった。
学校は始業時刻を変更できるだけでなく、迅速に実行できることが、疑いようもなく明らかになった。そして、変化したこの新しい現実の中で、10代たちには、睡眠がもたらす情緒的なレジリエンス(回復力)が、これまで以上に必要であることも明白であった。


