AIドローンが変えた「戦況の潮目」
ウクライナ軍は無人機で後方をかく乱し、ロシア軍の兵站や輸送に打撃を与えた。ウクライナはAI(人工知能)搭載ドローンや赤外線ドローンなどを次々に新開発して戦線に投入。「戦況の潮目が変わった」(西側軍事筋)とされる。
プーチン氏は「ロシアの日」の6月12日、前線に従軍する突撃部隊の兵員らと会見したが、突撃部隊からは「多くの戦友が重傷を負い、部隊を去った」「敵は人工知能を活用した無人機を活発に投入しており、戦争はますます技術主導型になった」「敵のドローンはスターリンク(米スペースX社の衛星通信網)によって制御されているが、われわれにはそうしたシステムがない」などと窮状を訴えた。
2026年6月12日、モスクワのクレムリンで、「ロシアの日」祝賀行事の一環として、ウクライナでの軍事作戦の参加者らとの会合に出席するプーチン大統領
プーチン氏は「(技術開発は)国防省と議論しており、民間企業にも指示する」などと答えただけで、新型ドローンの配備時期などは示さなかった。
政権内部からも噴出する早期停戦論
戦争と経済制裁の長期化で、ロシア経済も悪化。国民の生活苦が高まり、反戦機運が国内に広がりつつある。世論調査機関レバダ・センターの4月調査では、62%が停戦を支持し、戦争継続論は27%だった。
ウクライナ側は無人機を駆使してロシア各地の製油所やインフラ施設を攻撃しており、製油所攻撃でガソリン不足が広がっている。クリミアやロシア南部ではガソリンスタンドに長蛇の列ができ、モスクワの一部でも購入制限が敷かれた。
こうした中で、政権寄りのワシリー・カリン・モスクワ高等経済学院教授はロシアの外交専門誌で、ウクライナは今後長期にわたり反露・親欧米の国であり続け、キエフへの親露派政権樹立というプーチン政権の目標は不可能だとし、早期停戦を求める論文を寄稿して話題を呼んだ。
政権内の経済テクノクラートや政権に近いオリガルヒの間でも、早期停戦論が台頭していると伝えられる。

