サッカーの戦術を読み解き、観戦をより楽しむためには何に着目するべきか。サッカーデータアナリストのノーミルク佐藤さんは「綺麗な陣形を保っているより、ぐにゃぐにゃと選手が動き回っている方が、攻撃も守備も戦略的に優れている。空いているスペースや無駄に動いているように見える選手にも実は意味があり、それを読み解けると戦術も見えてくる」という――。
※本稿は、ノーミルク佐藤『サッカーIQを高める サッカーシステム完全講座』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
相手に「認知のバグ」を起こす選手の動き
プレーや、試合後のデータを見ていると、1試合で12~13キロなど、めちゃくちゃ走りまくる選手がいます。
彼らはなぜ、あんなに動き回るのでしょうか。その答えは、相手の脳に「認知のバグ」を引き起こすためです。
人間(ディフェンダー)が守備をする際、必ず「基準点」を設けます。「自分のマークは相手のエースの○○選手だ」「自分の守るスペースはゴール前の中央エリアだ、通さないぞ」という基準です。
攻撃側の「ズレ」を作る動きとは、この相手の基準点を物理的に揺さぶり、崩壊させるための「知的な嫌がらせ」に他なりません。

