有能すぎる奥様の憂鬱

意外なことに、ボヴァリー夫人はダメ人間どころか、とてつもなく有能な女性です。母を早くに亡くして農家を切り盛りしていたから、家の仕事は万事そつがありません。

医療事務も診療のアシストもテキパキとこなします。料理も編み物もプロ顔負けの腕前。ピアノやデッサンだってお手の物です。

ピアノを弾く手
写真=iStock.com/puhimec
※写真はイメージです

こんなに真面目で有能なのに、女性なので職には就けず、田舎暮らしゆえに社交界も縁遠い。イタリア語や歴史、哲学の勉強に取り組んだこともありますが、いずれも途中でやめてしまいました。認められる場がなければ、独学を続けるのは難しい。