ヤオコーとの競合も避けられない

首都圏では郊外展開の有力スーパー、ヤオコーがブルーゾーンHDを組成して全国の有力地場スーパーを糾合、その直後、都心部の中堅スーパーの買収を発表した。これまで大都市中心部ライフ、郊外部ヤオコーとして棲み分けていて、商品開発で提携関係にあったヤオコーだが、今後は競合する場面が増えることは避けられない。大手コンビニ、ローソンは「Lミニマート」でミニスーパー展開を開始、これも狙いは同じなのである。

東海地区のバローは、既に出店とM&Aで関西進出を強化、2025年度実績で750億円に達している。また首都圏にもM&Aで進出はしていたが、バローによる出店も本格的に開始された。生鮮強化型の新店は業界のストアオブザイヤーに選ばれるほどで、その勢いはかなりのものである。

そして、もっとも警戒すべきは、このバローがホームセンター大手コーナン商事と資本業務提携を組んだことである。コーナン商事の主力店は京阪神と首都圏中心部に大量に配置されている。一方で、バローの店舗は東海地方が中心だ。そして、バローはコーナン店舗の集客連携のため、店舗内の一角に居抜き出店するということも公表している。つまり、バローはコーナン商事が展開するエリアに優先的に出店できる権利を得たのである。コーナンとライフの店舗網が重なっていることは一目瞭然、バローは「一夜城」の如く、ある日ライフに立ちはだかる可能性があるのだ。

スーパーマーケットで食料品を買う若い女性
写真=iStock.com/maroke
※写真はイメージです

淘汰されるのは中堅・中小スーパー

といったことを書くと、王者ライフに危機到来か、と思われてしまったかもしれないが、そういう趣旨でもない。本稿で名前が挙がっていた大手小売各社は確かに首都圏、京阪神でお互いにガチンコで戦うことは間違いないのだが、ここが小売業界の難しいところで、大手対決の結末はどちらかが負けるのではない。

大手の戦いの狭間で、中堅、中小、地場のスーパー、小売店が大手にシェアを奪われて淘汰されることになるのである。意外と知られていないが首都圏、京阪神は中堅・中小小売業がたくさん生き残っている最後の楽園だった。大都市圏での上位集約が本格化するということであり、今後10年にかつてないほどの再編統合が進行することになるのである。

そうした意味合いからすれば、攻め込まれているようにも見えるライフだが、5年後、10年後は、激戦を勝ち抜いて、さらにシェアアップしている可能性が高いだろう。

ただ、大都市中心部における中小零細スーパーや商店街にとっては厳しい環境変化となろう。マスコミ登場で有名な都内のスーパーアキダイは少し前にロピアの傘下に入ったらしい。業界事情に詳しいアキダイの社長はこうした環境についてすべてお見通しで、先手を打ったのであろう。社員のために後ろ盾を得ておいた、と言っておられたと思うが、こうした難しい判断をせざるを得ない環境変化が首都圏、京阪神に迫っているということなのである。

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