大阪・東京の「二刀流」

京阪神、首都圏の住人の方々であればよくご存じの通り、ライフは大都市部の食品スーパーとしてはかなり売場が広い。平均2200m2ほどの売場があり、豊富な品揃えと高い鮮度、品質が、大都市生活者の支持を得て大きく成長した。今でこそ、大都市でも大型のスーパーは増えてきたが、少し前までは、古くから都市化していた大阪や東京には大きめのよろず屋くらいのスーパーが多く、ライフの豊富な品揃えは画期的であった。

このギャップをウリにしていたライフは、空き地がたくさんあり大きな店同士が競争する地方や郊外ロードサイドに店舗網を拡大しなかった。そのため、一極でエリア集中展開(ドミナント展開)するのが一般的な同業他社とは異なり、古くから大阪、東京の2大都市圏中心部で二極集中展開する珍しい存在であった。

最近では首都圏店舗網を軸に、関西にも店舗網を構築しようとするロピアやオーケーといった企業も現れているが、それまでは大阪・東京の「二刀流」は、ライフの特徴だったのである。

「総合スーパー」の道を歩まなかった

大阪出身のライフは京阪神、首都圏の人口密集地にバランスよく店舗網を育て、その潤沢なマーケットから出なかったことが奏功して、第一世代ライバルたちの興亡を横目に、着実な事業基盤を築くことができた(図表2)。

【図表2】ライフの地域売上と経常利益の推移

総合スーパーは食品の安売りで集客し、利幅の取れる非食品(衣料品、家庭用品など)で儲ける、というモデルだったため、コスパの高い専門店チェーンの成長に非食品売上を奪われると、収益源を失い衰退した、と言われている。

そんなライバルを横目に、ライフは、非食品は生活必需品に留め、あくまでも食品中心で稼げる経営を堅持したため、こうした時代の変化の影響を受けなかった。大都市人口密集地で安定的に食品需要を押さえていくという堅実派のライフが勝者として残ったのである。