誰も取り組んでいない仕事を探そう

自分の潜在能力を実証するもう1つの方法は、空白のプロジェクトに取り組むことだ。空白のプロジェクトとは、他の人々が取り組みたがらない、もしくはその存在に気づいてさえいない問題のことだ。「どの組織にも、誰も関心を払っていないニーズやみんなが気づかないふりをしているニーズがある」と、ウィルキンスは言う。たとえば、会社の現在の製品ラインでは満たされていない顧客ニーズを見つけて、新しい製品ラインを提案することができるかもしれない。何かを変えることで会社がいくら節約できるかをざっと分析してもよいだろう。誰もやろうとしない仕事に取り組むことで、自分を目立たせることができる。

野心的であることと分不相応な高慢な振る舞いをすることは紙一重だ。「権限を持っていないのに権限をふりかざしてはならない」と、ワトキンスは言う。彼の言う「執事型リーダーシップ」を実践しよう。自分を優先させるのではなく、自分のチームが達成したいと思っていることに全力を注ぐということだ。ジェン・スーは「控えめな自信」を持つようアドバイスする。いずれ次のレベルに昇進するのはまちがいないという自信を持ちながら、現在のポジションで適度な謙虚さを示すわけだ。

また、揺るぎない信頼関係がある場合は、上司に自分の野心を伝えることが望ましいが、その際は、会社にとって何が最も望ましいかに焦点を当てた話し方をしよう。過去1年の自分の実績を示して、「もっと先を見つめたとき、私はどの分野で貢献していると思われますか」というような問いかけをするとよいと、ジェン・スーは言う。こうした会話で自分のことにしか関心がないような印象を与えてはならないと、ワトキンスは釘を刺す。上司との双方向の会話になるよう心がけよう。部下の野心を脅威と感じるおそれがある上司についている場合は、野心を胸に秘めたまま潜在能力を実証するほうが安全だ。