税への不満を煽り続けた“功罪”
人類は何度も通貨崩壊を経験しているが、これほど少子化と高齢化が進み、かつ、食料自給率とエネルギー自給率が著しく低い状況で通貨崩壊が起きたことはない。通貨崩壊を防ぐには財政再建を行い、市場の信頼を回復するしかないが、不可能である。
財政再建は、具体的にいえば歳出の大幅カットと大増税を意味する。しかし、国民が受け入れるはずがない。
日本は、ほんのわずかな期間を除き、自民党がずっと政権与党であった。野党は市場に責任を持つ必要がないので、税への憎悪を煽ることで目先の人気を獲得しようとした。もしも政権交代が定期的に発生する状況であれば、このような選挙対策は取られなかったであろう。税への憎悪を煽ると、いざ自分たちが政権与党になった際に、自らの首を絞めるからである。
消費税増税をしないと公約したにもかかわらず、政権与党になったら増税を決めた民主党が好例である。未だに民主党が憎まれている理由の一つに、公約破りの消費税の増税を決定したことがあるのは間違いないだろう。
しかし、その失敗に学ばず、野党は選挙になると、どの政党も減税で人気取りに走る。以前よりもさらに過激になったように見える。そして2026年の総選挙では、自民党まで消費税減税を唱えるに至った。誰も現実を見ていない。このような状況で財政再建を唱える政治家を誰も支持しないであろう。
したがって、通貨崩壊は避けられないと私は思っている。「サナエノミクス」は、その通貨崩壊の到来を早めるものである。


