円安が悪化した日本の未来

通貨崩壊は急激なインフレーションを引き起こす。日本の食料自給率は、カロリーベースで40%程度しかない。この自給率について、種や肥料まで輸入に頼っていることを考慮に入れた場合、10%前後になると主張する者もいる。いずれにせよ、食料の多くを輸入に頼っている日本において急激なインフレーションが発生した場合、食糧難になるのは確実である。

さらに、日本のエネルギー自給率は10%程度しかない。円安によって化石燃料の輸入が困難になれば、発電・輸送などあらゆる分野に影響し、経済が壊滅的な打撃を受ける。なお、石油がなければ農業機械も動かせなくなるので、食料自給率にも当然影響する。

日本は人手不足を外国人労働者によって補ってきたが、その外国人労働者も日本を出てしまうだろう。通貨の安い国で働き続ける理由はないからである。海外に行く意思と能力のある日本人労働者は、海外へ出るだろう。つまり、現在の人手不足に拍車がかかり、多くの日本企業の事業継続が不可能となるだろう。

医療も大打撃を受ける。医薬品を十分に輸入できなくなる上、人手を確保できないからである。年金はインフレーションに追いつかず、高齢者は困窮するだろう。

通貨崩壊で起こりうる「エネルギー問題」

さらに、日本特有のリスクとして、原発の存在も忘れてはならない。2011〜20年の10年間において、世界で発生したマグニチュード6.0以上の地震の17.9%が日本周辺で発生している。これは日本が4つのプレートの集まる場所に位置しているからである。

日本のいわた原子力発電所(愛媛県)
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このような世界有数の地震大国に、50基以上の原子炉が存在している。そのうち、2026年2月現在で稼働しているのは15基である(なお、24基はすでに廃炉が決定している)。福島第一原子力発電所の事故の発生を受けて新規制基準が策定され、それを満たさないと稼働ができない状況となっているため、稼働している原子炉は15基にとどまっている。

通貨崩壊が起きた場合、日本は化石燃料を輸入に依存しているため、電気代が急騰するだろう。2023年度、日本の発電における化石燃料の割合は約70%であり、原子力は約7%に過ぎなかった。化石燃料の輸入が困難になれば、発電すらできなくなる可能性もある。したがって原発再稼働を望む声は強まるだろう。

しかし、原発を安全に運転するためには、莫大な金と人材が必要である。通貨の力を失い、急激に人口が減少する国家が、この世界有数の地震多発地帯において安全に原発の運転を継続することが可能であろうか。しかも現在、日本国内にある原発は老朽化が進んでいる。したがって、地震の有無にかかわらず、事故の危険性は時間の経過とともに高まっていく。