ビジネスにおける「コミュ力」
続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。
第4位にランクインしたのは『コミュ力が高い人が話しながら意識していること』。第1位の『頭のいい人が話す前に考えていること』と同じく、安達裕哉さんの著書です。
「コミュニケーション能力が高い人」と聞くと、多くの人は、どんな場面でも物怖じせずに話せる人や、言葉がスラスラ出てくる人、説明上手な人を思い浮かべるかもしれません。
しかし、安達さんが本書で示す「コミュ力」の定義は、それらとは異なります。ビジネスにおけるコミュニケーション能力とは、「相手の要求を気を利かせて読み取り、自分のアウトプットをだれかに活用してもらうための力」だというのです。
そのために必要なのは、決めつけないこと。自動車の運転で、「相手は止まるだろう」と考える「だろう運転」が危険なのと同じように、コミュニケーションでも、「伝わっているだろう」「理解しているだろう」という思い込みは、すれ違いの原因になります。だからこそ、「もしかしたら伝わっていないかもしれない」「認識が違うかもしれない」と考えながら、丁寧に確認し続けることが重要なのです。
読者の仕事観を一変させる本書。チームの課題図書や、社内研修のテキストとしてもおすすめです。
思考の沼から自由になる
第5位は『考えてはいけないことリスト』でした。
「あんなこと言わなきゃよかった」「もしかして嫌われているかも」――。
「考えても仕方ない」と頭ではわかっているのに、気づけば同じことを何度も考えてしまう。本書は、そんな「思考のループ」から抜け出したい人に寄り添ってくれる一冊です。
著者は、明治大学教授であり、作家としても活躍する堀田秀吾さん。本書では、「考えると不幸になる25のこと」をテーマに、それらを考え続けることで心が苦しくなる科学的な理由と、思考の沼から自由になるためのヒントをわかりやすく解説しています。
例えば、人と話した後にふと湧いてくる、「空気を壊したかも」という不安。
これに対して堀田さんは、「正解の空気」など存在しないと語ります。人によって感じ方も解釈も違う以上、「空気を読めたかどうか」を完璧に判断することはできない。だからこそ、「空気を壊したかも」と考え続けることに意味はないと断言します。
それよりも大切なのは、相手を尊重し、誠実に向き合う姿勢。人と人との間に生まれるズレを認め合いながら関係を築いていく過程こそが、コミュニケーションの本質なのです。
飲み会の帰りや眠る前にひとり反省会を始めてしまう人に、ぜひおすすめしたい一冊です。


