知ると腑に落ちる登場人物の“国籍”
英人? つまり三宮夫人はイギリス人だったというのだ。まず、この記述にあるドイツ人医師にして帝大で医術を教えていたスクリバ教授(1848~1905年)が、「風、薫る」には出てこず、日本人のシュッとした若手医師がサクッと乳がん手術をできることになっているが……。この頃、日本人にその技術はあったのか?
「風、薫る」のモチーフ大関和と同じ帝大病院の外科医だったユリウス・スクリバ教授(写真=Surg Today. 36, 5, 395-402. 2006/PD-Japan-oldphoto/Wikimedia Commons)
ただ、江戸時代の有名な医師、華岡青洲が日本で初めて乳がん手術を行って(1804年)から80年以上経っているので、この頃には日本でも手術例は少なくなかったのかもしれない。三宮男爵夫人も結果的に手術後30年ほど、生きながらえている。
しかし、患者がイギリス人女性で、執刀医もドイツ人医師で……と知ると、やはりそちらの方がリアルに感じられる。おそらく三宮夫人は西洋医学のことをよく理解していて、ドラマの侯爵夫人のように手術を怖がったり、看護婦に当たり散らしたりしたということは、なかったのでは?
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