食べる前の筋トレで高血糖を防ぐ

心臓や血管を急速に老けさせる「食後高血糖」の予防には、実は食前の筋トレが非常に効果的です。食事の前に筋肉を動かしておくと、食事によって血液中に増えた糖分が、スムーズに筋肉へと取り込まれるようになります。

おすすめは、食事の5〜10分前に行う「かかとの上げ下ろし」や「ゆるスクワット」です。下半身の大きな筋肉を刺激することで、食後の血糖値の上昇が緩やかになり、血管へのダメージを最小限に抑えることができます。

もちろん、空腹でフラフラしているときや体調が悪いときには無理をしないでください。まずは「夕食の準備のついでにスクワットを5回」などといった小さな習慣から始めてみましょう。

心臓を若返らせ、寿命を延ばす筋肉

心臓にとっては無酸素運動よりも有酸素運動のほうがより効果的ですが、近年の研究では、適切な強度の筋トレは心臓への負担を減らすだけでなく、私たちの寿命そのものを左右することが明らかになっています。

上月正博『100歳まで元気な心臓の育て方100』(宝島社新書)
上月正博『100歳まで元気な心臓の育て方100』(宝島社新書)

65歳以上の男女約3万5000人を対象にした調査によると、歩行速度が速いグループは、遅いグループに比べて10年後の生存率が約3倍も高かったといいます。歩くスピードは筋肉量と密接に関係していますので、筋肉を維持し、力強く歩ける体を保つことこそが、健康長寿の決定的な条件なのです。

筋肉をつけるメリットは、心臓のポンプ機能を助けるだけにとどまりません。全身の筋肉の約7割は下半身に集中しています。特に太ももの「大腿四頭筋」などの大きな筋肉を鍛えると、基礎代謝が上がり、太りにくい体に変わります。さらには、酸素を取り込む能力(最大酸素摂取量)もアップするため、少しの動作では息切れしない、疲れにくい体質へと改善されていくのです。

また、筋肉量が増えることで、より多くの血糖を筋肉に取り込むことができるようになるため、糖尿病のリスクも抑えることができます。

ただし、心臓に不安のある方は特に、重いバーベルを持ち上げるような激しいトレーニングは禁物です。大切なのは、日常生活の中に無理なく組み込める「軽い負荷」を継続することです。

本書では、体操を行ううえで大切な「ひなまつり」のポイントをご紹介しましたが、筋トレでも同じように重要です。「広い範囲に関節を動かし、大きな動作で」「長く(1つの動きに10~15秒)」「マイペースで」「『ツー』と声を出しながら」「リラックスしながら」行うようにしましょう。

このポイントが守れない筋トレは負荷が高すぎる可能性が高いので、1つの目安として活用してみましょう。

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