「日本はいつだって良い仕事をしてくれた」
開業時期が再三延期されるにつれ、市民の口からは怒りと後悔の声が漏れた。ベトナムのSNS上では市民が、「中国プロジェクトをボイコットせよ」と声を上げた。
ハノイ郊外のハドン区に住む退職者のグエン・ヴァン・タインさんは、米政府運営の国際放送ボイス・オブ・アメリカの取材に応じ、「先祖は『一度信頼を失えば、一万回失うのと同じだ』と教えてくれた」と振り返る。
彼はもはや、中国のプロジェクトを信頼していない。「選び直せるなら中国は選ばない。公共交通には日本と(ベトナム戦争時代から支援を受けている友好国の)キューバを選ぶ」と断言した。
理由については「日本とキューバは、あらゆる面で良質な仕事をしてきた実績があるから」だと説明。「中国と良いビジネスができるとは信じていないし、彼らの怠慢な姿勢にも満足していない」と加えた。
ある会社員の女性はボイコットに対し、「感情的で一方的、不必要なもの」と冷静に受け止める。その一方で彼女はまた、今後は日本の業者に任せるべきだとも述べた。
中国が関わる路線では事故が頻発
無事故で完遂した日本主導のメトロ1号線とは対照的に、中国主導のカットリン高架鉄道では尊い人命が失われている。
サウスチャイナ・モーニングポストが報じた事故の記録は凄惨だ。2014年11月6日、高架橋の工事現場から複数の鉄鋼コイルが眼下の道路へ転がり落ちた。走行中のバイクを直撃し、運転手1人が死亡。通行人2人も負傷した。
わずか1カ月後の12月、同じ高架橋から今度は高さ10メートルの足場が崩落した。真下を走っていたタクシーに乗っていた3人が車内に閉じ込められている。
さらに、サウスチャイナ・モーニングポストによると2015年、幹線道路や交差点の上を走る高架レールが波打っているのを市民が目撃したことで、安全性への懸念が噴出。
これとは別に同年8月には、別の工事現場から鉄棒が落下し、走行中の車に落下した。運転手はかろうじて命を取り留めている。
さらには政府の検査チームにより、防錆塗装されていない区間のレールに錆が浮き、接合部に緩みが生じていることが発見された。

