半年前に高市内閣が掲げた政策

高市早苗首相は2025年11月に「日本成長戦略本部」を立ち上げ、AI・半導体など17の戦略分野を定めた。補正予は6.4兆円を危機管理投資・成長投資に充て、2026年度の当初予算でも戦略的投資の積み増しを行う予定だ。

政策の柱は「大幅な税制優遇で設備投資を促す」ことだ。複数年度にわたる予算措置とロードマップを明示することで、企業が腰を据えて投資判断できる環境を整えることを目指している。従来のやり方は弱い産業を助けることに重点を置いてきたが、今回は成長が期待される17の戦略分野への重点的な投資を通じて、新しい時代のニーズに見合った「供給力の強化」と「強い経済の実現」をめざす――それが高市政権の経済戦略の核心だ。

もちろん、政策を掲げただけで必ず成功するわけではない。ただ「どこを伸ばすか」が以前より格段に具体的になったことは、日本経済にとって追い風になりうる。

AIや半導体がさらに伸びるか

戦略17分野のあらまし(主要分野)

AI・半導体・情報通信
量子コンピューター
航空宇宙
防災・国土強靭化
海洋資源開発・海面養殖、植物工場、陸上養殖
永久磁石・レアアースの供給確保
バイオ・医療
資源・エネルギー・安全保障・グリーン・トランスフォーメーション
(次世代型太陽電池、水素・アンモニアなど)
核融合
コンテンツ(ゲーム・アニメ・漫画など)

この中で特に動きが活発化しているのが「海洋」と「AI・半導体」だ。海洋分野では南鳥島周辺海域での深海レアアース試掘が実施されており、今後の資源開発が期待される。

AI・半導体では毎年1兆円規模の継続的支援を目指しており、半導体受託製造企業TSMCによる熊本での最先端半導体生産表明もあって、日本のサプライチェーン強化は着実に進みつつある。

TSMCは台湾企業だが、日本国内への巨額投資は雇用、設備投資、地方経済、関連産業の活性化を通じて日本経済にも大きな波及効果を持つ。重要なのは、外資誘致を一時的な工場建設で終わらせず、本企業の技術力・供給網の持続的強化につなげられるかどうかだ。

半導体
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コンテンツ分野(ゲーム・アニメ・漫画)が17分野に入っていることも注目に値する。日本経済の低迷期にあっても、これらは世界から高い評価を受け続けてきた。停滞の時代に培われたこの強みは、日本の貴重な財産だ。