「結納金は800万円」と言われ…

――タイ生活で感じる文化の違いはありますか?

結婚する前に、男性が女性の親に結納金を払うことに驚きました。金額は女性の収入や年齢によって変わるらしいんですが、私の場合は最初200万バーツ(当時で約800万円)って言われて、「え、高!」ってびっくりしました。そんなお金は持ってなかったので困っていたら、妻が「大丈夫、減額させるから」って言うんです。結局、親が納得できるかどうかなので、ある程度は下げられるようなんですね。

――なかなかの金額ですね。なぜ高額な結納金の慣習が残っているんでしょう?

タイでは、男女問わずに子どもが働き出すと、毎月親に収入の一部を送るのが一般的です。結婚して仕事を辞めると、仕送りがなくなってしまうので、その補塡として結納金があるみたいです。あとは、離婚した場合の慰謝料の前払いのような位置付けでもあるようです。

「私の娘はこんなに安くない!」

――なるほど。結局、減額はできたんですか?

それがなかなか大変なことになりました。妻からは「80万バーツ(当時で約320万円)でよさそうだよ」と言われたんです。当初の半額以下なので、すごいですよね。それで、結婚式前に妻のお母さんに80万バーツをお渡ししたんですが、お母さんが激怒して「私の娘はこんなに安くない!」って物を投げつけられました。「話が違う!」と思いましたね(笑)。

――え、でもその金額でOKが出てたんですよね?

タイではよくある話らしいです。「いまこの瞬間を生きてる」って人が多いので、「そのときはオッケーでも、いまは違う」っていうケースはよくあります(笑)。結納金は結果的に100万バーツ(当時で約400万円)で落ち着きました。

タイの結婚式の写真
提供=須見智志さん
タイの結婚式