ほかの油脂から置き換えると動脈硬化予防に
ここからは、腸の健康を維持・増進し、糖尿病の予防にも役立つ食品を紹介したいと思います。
◇インスリンの効き目が向上する「オリーブオイル」
イタリア料理でおなじみのオリーブオイルですが、じつは、糖尿病に有効な成分を含んでいることがわかってきています。
血糖値をコントロールするインスリンというホルモンは、太っている人ではその効き方が悪くなっていることがよく見られます(インスリン抵抗性)。こうなると、血糖値を低下させるために本来より多くのインスリンが分泌され、それでも血糖値が低下しないと糖尿病ということになります。
オリーブオイルは、インスリンの効果を改善し、血液中のインスリン濃度を下げるとされています。
アイルランドのダブリン大学トリニティ・カレッジのトムキン氏らは、インスリンの効きが悪いインスリン抵抗性の糖尿病患者11人に2カ月間、オリーブオイルに豊富に含まれる脂質であるオレイン酸が多い食事を摂取させた場合と、コーン油や綿実油に多く含まれるリノール酸が多い食事を摂取させた場合とを比較検討しました。その結果、オレイン酸を摂取した場合のほうが、インスリンの効き目が向上(インスリン抵抗性が改善)したと報告しています。
また、糖尿病の患者さんは、糖尿病による動脈硬化症が問題になります。その点、アメリカの食品医薬品局(FDA)は、ほかの油脂をオリーブオイルに置き換えた場合(大さじ1杯13.5g相当)、動脈硬化の予防につながることを確認しました。
これは、オリーブオイルのオレイン酸が悪玉コレステロールを減少させ、善玉コレステロールを増加、または維持させたということです。
さらに2012年には、欧州食品安全機関(EFSA)が、オリーブオイルは悪玉コレステロールの酸化を予防するということを提示しました。
悪玉コレステロール(LDL)が酸化されて酸化LDLになると、本当の悪玉になって血管内部に集まり、動脈硬化を引き起こします。この酸化をオリーブオイルに含まれているポリフェノール(オレウロペイン、ヒドロキシチロソールなど)が予防するということが認められたのです。
大腸がんの手術後に推奨してきた
もともとオリーブオイルには便秘解消効果があるとして、ヨーロッパでは古くから用いられてきました。
オリーブオイルに豊富に含まれているオレイン酸は、短期間に比較的多くとった場合(1回につき約15ml程度)、消化管で吸収されにくいため、小腸内に長くとどまります。とどまったオレイン酸が小腸を刺激したり、大腸内のすべりをよくすることで、便通を促すと考えられているのです。
また、オリーブオイルには、大腸がんの予防効果があります。実際に、オリーブオイルの摂取量が多い南イタリアやスペインなどの地中海沿岸地域では、大腸がんにかかる人が少ないことが指摘されています。
私のクリニックでは、大腸がんの手術をしたことがある患者さんに、必ずオリーブの果実からとれた精製していないオイルであるエキストラバージン・オリーブオイルの摂取をすすめています。
そんな患者さん150人ほどのデータですが、これまで大腸がんが再発したのは1人だけで、大腸がんで亡くなった方はいません。
オリーブオイルには主成分のオレイン酸以外にも、ポリフェノール、ビタミンE、葉緑素といった抗酸化物質が豊富に含まれています。

