『名探偵コナン』は30年でここまで変わった…「小学生が見る映画」→興収100億超の「年に一度のフェス」に進化した“納得の理由”(杉本 穂高)

日本の映画産業にとって、4月中旬から5月上旬のゴールデンウィークにかけては『名探偵コナン』の季節だ。そのように定着してずいぶん経つ。この時期になると、「スクリーン数を占有されてしまうから、他に観たい作品がある人は早めに行っておいたほうがいい」というような声が聞かれ、興行結果が発表される週明けには、同作の数字を報じるニュースが各メディアを席巻する。

ゴールデンウィークはもともと映画産業の用語でもあり、年間でも有数の繁忙期として重要な意味を持つ。そんな時期の興行の主役として、小さな名探偵は君臨し続けている。

『名探偵コナン』の主人公・江戸川コナン ©時事通信社

1997年にスタートした劇場版『名探偵コナン』シリーズは、来年で節目となる30作品目を迎える。その内容は、時代とともに大きく変遷してきた。「アクションが増えた」「派手になった」といった表層的な変化はもちろん重要だが、その変化が時代の空気を的確に捉えたものだったからこそ、ここまでファン層が拡大したのだ。

初期は子ども向けの謎解きミステリーとして始まり、それがいつしか大作アクションへと変貌を遂げ、キャラクターの魅力を前面に押し出して大ブレイクし、さらに年に一度のお祭りとしてのイベント体験性を重視しつつ、原作の深部にまで関わる展開を内包するなど、ドラマ性も充実するようになってきた。

いかにして劇場版『名探偵コナン』シリーズはここまで注目されるタイトルとなったのか、その変化を追いかけてみたい。