「子ども向けミステリ」から「アクション大作」へ

『名探偵コナン』はそのタイトル通り、謎解きミステリーを基礎としている。1990年代、『金田一少年の事件簿』と並んで謎解きミステリマンガの代表格として人気を博したが、主人公が小学生として暮らしているだけあって、『金田一少年の事件簿』に比べて謎解きの強度は緩やかで、子どもでも読めるミステリという位置づけだった。中学生以上の世代では『金田一少年の事件簿』を好む傾向にあったように記憶している。

テレビアニメと劇場版も、その原作のテイストを踏襲していた。劇場版に変化が訪れたのは、2000年代中頃のことだ。舞台が大がかりになっていき、アクションシーンが増加していく。さらに人気キャラクターを多数登場させるオールスター感の強い作品が増え、事件の真相や謎解き要素はありつつも、それ以上に「どう盛り上げるか」に比重が置かれるようになっていった。

この頃のシリーズの興行成績は、おおむね30億円前後で推移していた。同シリーズの大きな特徴は、ファンの卒業が少ないことだ。恋愛要素や人間関係の妙もあって、今後の展開も気になるためか、子どもの頃に触れたまま大人になっても読み続ける読者が多い。そうしてファンの平均年齢層が上がっていくのに合わせて、徐々に作風も変化していった。