しかし……。最終行を見てほしい。

「中国人は青いペンキを買いにいった」

この1行のアナーキーなインパクトには、さしもの世界の警察の存在も霞んで見えよう。

実を言えば、世界のジョーク市場で流通しているグローバルなジョークには、必ず原型がある。そうした優れたテンプレートは時を超え国境を越えて、継承され共有されてきた。そして、世界の変転を映し出す鏡のごとく、登場する国名や順序が随時入れ替えられてきたのである。

不朽の名作「青いキリン」において、20世紀、不動の大オチを務めてきたのは言うまでもなくアメリカであった。しかしその座はいまや、新興国の雄、中国に奪われつつあるのだ。しかも、中国がすごいのは、実にこの「青いキリン」を地で行ってしまう点にある。

かつて、中国全土に国土緑化の大号令が発令されたことがあった。その際、某省は大量の緑のペンキを購入したという。もうおわかりだろう。禿げ山に緑のペンキをぶっかけたのだ。これは実話である。

※掲載のジョークは、早坂隆氏の著書『100万人が笑った!「世界のジョーク集」傑作選』『世界の日本人ジョーク集』所収のものに加え、同氏へのインタビューから編集。

(構成=山田清機)
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