知らなかったでは済まない航空券の落とし穴
アメリカや欧州を訪れる日本人旅行者も、こうした混乱に巻き込まれかねない。
特にアメリカの場合、航空券と紛らわしい形で一体となって販売されている点で悪質と言える。アメリカ国内の長距離区間を直行便で飛び、さらに短距離区間を乗り継いで最終目的地へ向かうような場合、乗り継ぎの区間が知らぬ間にバス便となっている可能性がある。
とりわけ警戒すべきは、正規サイト以外の外部予約サイトや旅行代理店を通じて手配した場合だ。バスに差し替えられた区間が含まれていても、航空便と同じ形式の便名が振られ、出発時刻や所要時間もフライトと見分けのつかない体裁で表示される。旅程表をざっと眺めただけでは、まず見抜けない。
自衛の手段はある。予約の段階で、旅程の各区間を一つずつ確認することだ。「motorcoach」「ground transportation」といった表記が、どこかに小さく紛れていないか。出発地点がターミナルではなくバス乗り場になっていないか。少しでも引っかかれば、航空会社の公式サイトで同じ旅程を検索し直し、各区間が本当に航空便で運航されるか確かめた方が安全だ。英語の予約画面に不慣れであれば、なおさら見落としやすい。
「航空券を買えば飛行機に乗れる」と、世界中の旅行者は疑いもしない。だがその前提は、いま静かに崩れはじめている。


