公式サイト以外での予約が危険なワケ

ランドラインのデイビッド・サンデCEOはフィラデルフィア・インクワイアラー紙に、「目標は乗り継ぎ便と同じ購入体験の実現」であり、「アメリカン航空の乗り継ぎ体験と完全にシームレスにするには、購入とデジタル面から始める必要がある。だからこそフライトのように表示される」と弁明した。

アメリカン航空の正規サイト以外でチケットを購入すると、問題はさらに大きくなる。旅行予約サイトなどにはランドラインの仕組みに完全に対応していないものも多く、一部がバス便となる旨の表示が十分に目立たなかったり、表示されなかったりすることがある。

アメリカン航空は外部の予約サイトにも改善を求めてきたという。だが、公式サイトでは表示されるバス区間のポップアップ警告が、外部サイトには反映できていない。バスは今も地域を結ぶ航空便と似た表現で堂々と売られ続けている。

バスで乗客を運ぶこのモデルの是非をめぐっては、航空業界の中でも判断が割れている。

ランドラインは今後、ユナイテッド航空との提携を全面的に打ち切る方針だ。ポインツ・ガイによると、デンバー国際空港―コロラド州フォートコリンズ間は7月31日で廃止。ニューアーク・リバティー国際空港―ペンシルベニア州リーハイバレー国際空港間も、9月1日に運行を終える。

ユナイテッド航空ボーイング777航空機
写真=iStock.com/Laser1987
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ランドラインの副社長兼収益責任者のニコラス・ジョンソン氏は、「他の機会に集中する」とだけ述べ、撤退の理由は明かさなかった。

ユナイテッド側は、別の事業者と組み直す計画の有無については、明言を避けている。一方で同社は、アレンタウン(リーハイバレー国際空港)とシカゴ・オヘア空港を結ぶ直行便を8月に1日3便へ増便する方針を明らかにしており、バスで結んでいた区間を直行便の拡充に切り替える姿勢を示している。

「騙された」と感じる利用者が続出

アメリカン航空は逆に、バス路線の拡大に舵を切った。シンプル・フライングによると、今年9月22日にフィラデルフィア国際空港―ニュージャージー州トレントン間の新路線を開設する。1日3便、片道約50分。これでフィラデルフィア発のバス便は計5つの路線に拡大する。

ユナイテッド航空が9月にバスから手を引くリーハイバレー国際空港にも、アメリカン航空のバスはすでに走っている。担い手が替わるだけで、乗客はバスに乗せられ続ける。

シンプル・フライングによると、アメリカン航空のバス接続の累計利用者はサービス開始以来20万人を超えた。バスでつながる周辺5都市はいずれもフィラデルフィアから100マイル(約160km)圏内。この距離なら飛行機を飛ばすよりバスのほうが安上がりで、航空会社にとっては好都合だ。

2025年夏以降、アメリカ北東部で1日あたり1500席の規模で運行している。バスだと承知の上で予約した一部の利用者からは「空港まで自分で運転するよりは便利だ」との声も上がる一方、騙されたと感じる利用者も少なくない。