積立貯蓄としての役割を重視するのか、子供がケガや病気をした際の保障を重視するのかを考え、各社各様の付加サービスを見比べたうえで、自分にもっとも適した保険商品を選ぶとよいだろう。
保険機能がつく分、貯蓄商品として見たときの学資保険の返戻率は必ずしも高くない。またインフレに弱い商品でもあり、将来必要となる学資すべてを学資保険で賄うことはあまり勧められない。
大学4年間に必要な学資を500万~600万円とし、その一部、最大で5割程度を学資保険で賄う形がベターであろう。途中で解約すると解約時期によっては元本割れすることにも注意を払い、無理のない金額に収めるのが基本だ。
残りの学資も預貯金以外の形で用意するのであれば、インフレ対策として、外貨建て金融商品で持つ方法がある。私自身、子供の学資対策として一部を学資保険で積み立て、残りは米国やオーストラリアの国債(ゼロクーポン債)など複数の外貨商品で準備している。
金利だけを比較すると、定期預金など他の金融商品と比べて学資保険に特段の優位性はない。しかし「簡単に解約できない」という保険の特性は、積み立てには有利に働く。定期預金は簡単に解約できるので、ちょっとお金が必要になると引き出してしまいがちだが、学資保険には手をつけにくく「最後にはきちんと残っていた」となる可能性が高いのだ。いわば壊さなければ取り出せない貯金箱のようなもので、「子供の教育資金は心配だが、使わずに積み立て続ける自信がない」という人には、お勧めの金融商品といえるだろう。
(構成=久保田正志)